ヒッチコックとストーリーボード 9つの傑作から解き明かす画面づくりの秘密
ヒッチコックとストーリーボード 9つの傑作から解き明かす画面づくりの秘密
『ヒッチコックとストーリーボード 9つの傑作から解き明かす画面づくりの秘密』
トニー・リー・モラル゠著
上條葉月゠ 訳
発売日:2024年8月21日
本体価格:3,600円+税
判型:A4判変型・並製
頁数:144頁
ISBN:978-4-8459-2323-6
サスペンスの巨匠、アルフレッド・ヒッチコック。
その秘密の眠る、もうひとつの「映画術」
人々を驚愕させたヒッチコックの名シーンたちは、
いかに構想され、映像化されたのか?
膨大な未公開資料から、
ソール・バス、サルバドール・ダリ、ヘンリー・バムステッドら、
偉大な協力者たちとの共同作業を掘り起こし、
映画史に残る傑作群の舞台裏を解き明かす。
映画ファン必読の一冊!
ストーリーボードとは実際、何なのだろうか? ストーリーボードは、コンテンツ制作者や監督のヴィジョンをイラストレーターが表現したもの、と定義できる。それは漫画のコマのようにイメージの連続で構成され、異なるシーン同士をどう組み合わせるかのアイデアをくれるものだ。(本文より)
ストーリーボードとはすなわち、現在における〈プリヴィズ(Pre-Visualization)〉の始原であり、とりわけヒッチコックはストーリーボードを自身の方法として重要視していたことが知られています。ヒッチコック曰く「滅多に自身ではカメラを覗かない、なぜなら前にストーリーボードで作ったのと同じ映像になっているからだ」。
本書では、ヒッチコックの実作における共同制作者たちとのストーリーボード――プロダクション段階における様々なイラストレーション、舞台セットのスケッチ――の役割を探ります。貴重な関連図版を数多く掲載し、『めまい』『サイコ』『鳥』『北北西に進路を取れ』等々9つの傑作の制作過程から、最終的な作品に辿り着くまでの軌跡を辿ります。
アルフレッド・ヒッチコックの想像=創造過程を知るにおいてはもちろん、動画制作者やデザイナー、漫画制作者など、あらゆる視覚的創作の基礎ともいえる思考・方法を学ぶにも役立つ一冊です。
ヒッチコックはそれぞれのシーンを“それ自体で小さな映画”であると捉えていた。TikTokであれInstagramであれ短編コンテンツのストーリーボードを考える上で、『三十九夜』においてヒッチコックがどのようにストーリーをつなぎ合わせて「エピソード映画」全体を作り上げたのかを見ていくことは、素晴らしいインスピレーションを与えてくれる。(「Chapter 1――『三十九夜』」より)